沖縄県内外の小・中・高等学校に出向き、音楽鑑賞会と演劇鑑賞会を提供する芸術創造集団「おしゃべりMUSICオフィス」からのご案内です。沖縄県立芸術大学卒業・大学院修了生を主軸に構成した特定非営利活動団体です。
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クラシックお好きですか?平敷屋朝敏って?
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「クラシックはお好きですか」と聞かれて「クラシックはどうも苦手」と答える方に下記のコンサートをお勧めします。それは、クラシックコンサートなのに“うちなー芝居”で始まるコンサートです。クラシック演奏にうちなー芝居?ちょっと意外ですよね、内容はこうです。
300年の時を超えて首里公民館のコンサート会場にやってきた“平敷屋朝敏”が、現代の沖縄芸能音楽と世界の音楽に感銘をうけ琉球王国に戻った後に組踊“手水の縁”を完成させるストーリーです。アンサンブル生演奏と“うちなーぐち”で物語はすすみますが、劇中の“うちなーぐち”は朝敏自身がすぐに現代語に通訳をします。安心して新しい発見と出会いをお楽しみください。
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*「平敷屋朝敏がやってきた!うちなーぐちワクワクコンサート」
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*【日時】2020年2月16日(日)開演14:00(開場13:30)
*【場所】首里公民館大ホール
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*入場無料(未就学児可)
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その前に、平敷屋朝敏について簡単にご紹介しましょう。
平敷屋朝敏は1700年首里金城に尚真王の第一王子、尚維衛の七代目の子孫として誕生しました。色白の長身、三線と笛が上手で学問に優れ、教養もあり、しかも人情温かく、立派な家柄の生まれ。まるで平安時代の在原業平を思わせる美男子だったそうです。21才で結婚し2男1女に恵まれました。組踊の創始者玉城朝薫とは師弟関係です。
「苔の下」「若草物語」「まんざい」の恋物語3作と平敷屋村での様子を紀行風に記した「貧家記」を擬古文で残しています。32才の時に組踊『手水の縁』を完成させます。その頃の琉球は、三司官“蔡温”が御教条(妻は夫に、子は父に、弟は兄に、臣は君に服従)を出し封建道徳政治を推し進めていました。
そんなとき、身分の差を乗り越えて生きて結ばれる男女の物語『手水の縁』はたちまち人気になり、当時、首里の若者で、『手水の縁』を読まなかった人はいないという程に受け入れられたそうです。この状況を危惧した蔡温は、王権批判をしたとして朝敏とその和文学仲間を安謝の海岸で処刑します。朝敏34歳という若さでした。
その後『手水の縁』は発禁になり、再び上演されたのは実に130年後の尚泰王の冊封の宴でした。
天才平敷屋朝敏のこと、興味を持っていただけましたでしょうか。
今回の公演は「2019年度なは市民活動支援事業助成金」と「首里大中町自治会」の協力を得て開催いたします。皆さんを魅了し、感動を伝えたいと思っています。
新垣佳世子(首里大中町出身、おしゃべりMUSICオフィス代表)